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激しい胃痛をともなうアニサキス症とは

日本人なら多くの人が、新鮮な魚介類が手に入ったら、すぐに刺身で食べたいと思うでしょう。
というのも、魚の一番美味しい食べ方は、新鮮なうちに生で食べることというのを小さい頃から知っているからです。
ただし、この生食には少しだけリスクがあります。
それは、魚についている寄生虫の存在です。
実は、天然の魚介類にはかなり寄生虫がついています。

魚を鑑賞用として飼うのならそれほど気にかける必要はありませんが、食用としようとする場合には注意したほうがいいケースがいくつかあります。
明らかに胃痛を起こさせるものもいますが、寄生虫の中には無害なものもたくさんいます。
しかし、肉眼で見てしまうと、やはり見た目も大切な食べ方なので、取り除いておくに越したことはありません。

そんな寄生虫の中で、ちょっと厄介な存在になっているのが、線虫類に属しているアニサキスという寄生虫です。
このアニサキスは、最近、医療界でも注目されています。
じつはガン細胞を見分ける能力があることが発見されたのです。
アニサキスをガンに冒された細胞と正常な細胞の両方を入れたシャーレなどに入れておくと、ガンに冒された細胞のほうへと集まっていくことが発見されたのです。
これは、ガン患者と健常者との尿についても証明されていて、ガンの診断が簡単にできるということで注目を集めています。

しかしながら、このアニサキスは、時として人間の体にかなりの害毒を与えてしまいます。
アニサキスは肉眼で目視できる寄生虫ですが、魚についていたのを知らずに生きたまま飲み込んでしまうと、強い酸の胃液の中でもすぐには死なないので、胃壁に食らいついたりして激痛を起こさせるのです。
激痛の起こるこの症状がアニサキス症と呼ばれるものです。
アニサキス症は、潜伏期間を置いて出るものでもあり、自分では原因がわからないことが多いために、ほかの食中毒と勘違いされることが少なくありません。
そして、激しい胃痛に耐えられずに医師の診断を仰いだとき、食中毒ではなくアニサキス症と知って驚くというケースが少なくないのです。

アニサキスによる食中毒を予防する方法

激しい胃痛を伴うアニサキス症を予防する方法はいくつかありますが、魚を美味しく食べたいという人間側の欲求もあるため、予防しようとしても、何かとうまくいかないケースも多いようです。
魚を刺身で食べたい人に対しては、魚についたアニサキスすべてを目視して取り除けるわけでもないため、よく噛んで噛み潰して食べれば胃痛の心配はいらないといったアドバイスを行います。
しかし、一度アニサキス症にかかってしまうと、魚を生で食べることへのこだわりを捨てて、冷凍物で妥協してしまうという人も少なくないといいます。
アニサキス症によって起きる激痛は、この寄生虫に噛まれた痛みだけではないようです。
アナフィラキシーショックなどのアレルギー反応を起こさせてしまうようなので、やはり軽くみてはいけないのです。

アニサキスは胃酸の中では長時間は生きつづけられないのですが、少々の酸で死ぬことはありません。
つまり、酢締めなどにしても安心できないということです。
同じく、熱に対してもある程度対応力があり、焼き魚などにしても、焼き方がたりない場合は、生きて残っている可能性があります。
加熱する場合は、60度以上で数分間の加熱が目安とされています。

また、アニサキスはマイナス20度以下で24時間以上保存しておくと死滅するとされています。
死滅すれば、人間への害もありません。
冷凍しておき、その後解凍してから食べれば心配はいりません。
厚生労働省が推奨しているのが、この食べ方です。
解凍してたべれば、それほど生の風味が損なわれるというものではないので、やはりこの食べ方がベストかもしれません。
ただ、厚生労働省の推奨ということなので、食味よりも安全性が第一なのは仕方ないことでしょう。